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シュタイナー教育とは?|14の特徴・家庭での実践方法をご紹介

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シュタイナー教育の始まりとは|教育の歴史と日本での取り組み

シュタイナー教育とは、元々20世紀初頭、オーストリア出身のルドルフ・シュタイナーが提唱した教育思想で、海外では『ヴァルドルフ教育』といいます。ルドルフ・シュタイナーは、『教育というものは単に知識を与えるだけではなく、後々子供たちが自分の自由意志によって行動することが出来るような人間になるための補助である』と考え、1919年にドイツで初めて『自由ヴァルドルフ学校』を開校しました。

彼の教育理念は世界中に広まっていき、今や60カ国以上に1000校・1500園以上が存在します。日本にはシュタイナー教育が入ってきたのは1980年代のことで、現在では7校・50園が存在します。その内の4校は小学校〜高校までの一貫校となっています。

 

シュタイナー教育では人間を4つの構成体と考える

シュタイナー教育では、基本的に人間を『物質体』『生命体』『感情体』『自我』の4つの構成体として考えています。

物質体

地球の引力に引っ張られる鉱物体であり、私達の体そのもの。

生命体(エーテル体)

引力の法則に逆らって、上に伸びようとする力、成長、繁殖力など。

感情体(アストラル体)

快・不快が結びついた感情。喜怒哀楽。

自我

『私』という自己を持つということ。思考や理性。

 

人間を四気質説によって分類した上でのアプローチ

シュタイナー教育では、上記4つの内、どの部分が優勢かによって子供の性格を大きく4つに分類し、それぞれに合うアプローチを行います。

胆汁質

  • 自己主張や意志が強く、決断力・行動力に優れている
  • 癇癪を起こしやすく、他者と衝突しやすい
  • 人に認められると能力を発揮する

このタイプの子供にはやや高めのハードルを与え、尊敬できる人物を身近に置くことで自制心を育てます。

憂鬱質

  • 傷つきやすく、思考がネガティヴ
  • 非社交的で疑い深い
  • 探究心が強く、想像力が豊か

このタイプの子供には、大人の辛い体験談などを話し、他者と共感する心を育てていきます。

粘液質

  • 休むこと・食べること・寝ることが好き
  • おっとりしていて持続力がある
  • 物事をきっちり行うが時間がかかりやすい

このタイプの子供は、構われると嫌がる気質があります。普段はそっとしておき、大人が「気づき」を与えてあげることが大切です。

多血質

  • 好奇心旺盛で楽天的
  • 陽気で優しい
  • 喜怒哀楽が激しく飽きっぽい

このタイプの子供には静かで、物事を継続しやすい環境を与えていきます。大人がゆっくり導いてあげることも大切です。

 

シュタイナー教育では体・心・頭のバランスを重視

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シュタイナー教育は、教育芸術とも呼ばれており、一般の学校とは教育理念やカリキュラムが全く異なります。まず、シュタイナー教育では、7年毎に区切って教育を行います。その中で、体・心・頭を順に育てていくのです。

第1の7年期:0~7歳

0〜7歳までは主に体を作り上げていきます。この時期の子供たちは社会的に守られるべき存在であり、出来るだけ刺激のない、穏やかな環境を作ってあげることが理想的だとされています。

この時期では、まずは周りの人たちを真似して行動するようになり、歩く・話すといったことを学んでいきます。成長とともに、少しずつ自分の意志で行動できるようになっていきます。また、この世の中は善で溢れているということも学びます。

第2の7年期:8~14歳

8〜14歳は呼吸器や循環器などが成熟してきますので、体に次いで心を鍛える時期です。この時期には、生活スタイルや習慣、癖などが身に付けていきます。個人の感情について考えるようになり、周囲と自分の違いを敏感に感じ取るようになります。親や先生、周囲の大人の中に尊敬する人物が出てくる時期でもあります。この時期には世の中は美しいものであるということを学んでいきます。

第3の7年期:15~21歳

15〜21歳では主に頭を鍛えていきます。筋肉や代謝機能、生殖器官などが成熟し、あらゆる欲求や衝動が起こりやすくなる時期で、世界を客観的・論理的に捉えようとしていきます。自分の中での理想像というものが出来上がってきます。この時期は、世の中は正しさで溢れているという考えのもと、思考力を育てていきます。

シュタイナー教育では、この周期に合わせて、適切な順番で教育をしていくことも非常に大切なことです。更にこの後の人生も7年周期毎に様々な変化が表れるとされています。そして、21年毎に『善・美・真』が繰り返され、形を変えて人間を成長させていくと考えられています。

 

シュタイナー教育の14の特徴

シュタイナー教育の特徴:おもちゃや服、食事など自然素材にこだわる

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シュタイナー教育では自然素材の使用にこだわっています。おもちゃや人形なども木製・シルク・綿などの自然素材で作られたものを取り入れており、テーブルや椅子といったものも出来るだけ木製のものを使っています。そうすることによって、自然とふれあい、ぬくもりを感じることが出来るのです。

中には食事も添加物を一切使わないオーガニック料理、お菓子は手作り、クレヨンは蜜ろうクレヨンのみ、衣服も天然素材のみと徹底しているところもあります。

 

シュタイナー教育の特徴:幼稚園は早期学習を行わず、クラスも縦割り制

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最近の幼稚園や保育園などでは、小学校に上る前に簡単な読み書きなどを教える所も多いですよね。自分で絵本を読めるように家庭で教えることもあるでしょう。しかし、シュタイナー教育では、幼児期はまず体を作ることが大切と考えているため、この時期に読み書き・計算などは教えません。その代わり、手先や体を使い、様々なものに触れさせ、体験させることを重視しています。

また、シュタイナー教育園ではクラスが縦割り制となっており、様々な年齢の子供たちが同じ空間で生活します。そうすることによって、年上の子供たちは年下に対する扱い方などを学び、年上として自ら手本になるよう努めるようになります。

 

シュタイナー教育の特徴:想像力を培うためのウォルドルフ人形・素話

シュタイナー教育では、子供の想像力を高めるために様々な工夫を行っています。まず、女の子たちが大好きなお人形遊びに使われるのは、ウォルドルフ人形といわれるものです。ウォルドルフ人形は全て天然素材で作られており、中身は羊毛が詰められています。羊毛をしっかり詰めた人形は子供の肌の弾力によく似ているのです。髪の毛や洋服なども同様に天然素材のみで作られています。ウォルドルフ人形の特徴として、目や口が非常に小さく、ほとんど表情というものがないことが挙げられます。これは子供の想像力によって表情を付け足せるようにするための工夫です。既製品のウォルドルフ人形も販売されていますが、基本的にはその子のことを思って親御さんたちが手作りするのが理想的です。

また、シュタイナー教育では絵本や紙芝居も使いません。あらかじめ絵がつけられているとイメージが先行するようになってしまうからです。その為、シュタイナー教育においては、物語は口頭による素話が基本です。物語を語る際も淡々とした語り口調で行い、感情などは子供たちの感じ方に任せるのです。

更に、シュタイナー教育では大人たちが子供たちの遊びに対して口出しをすることはしませんし、遊び方を教えることもありません。危険なことから保護することはあっても、あくまで子供たちのやり方を見守ることに徹します。

 

シュタイナー教育の特徴:テレビ・ゲーム・CD・キャラグッズは基本的に禁止

シュタイナー教育では、幼児期〜低学年までは過度な刺激を与えないよう、テレビ、ゲーム、CD音楽、映画などを禁止しています。テレビを見る間はどうしても体を動かさなくなりますし、本当の体験をすることとは異なるからです。キャラクターグッズの使用を禁止しているところもあります。もちろん、スマートフォンやタブレットなどの電子機器も禁止です。

しかし、こういった生活をするためには親御さんや周りの大人達の協力が必要不可欠です。当然自分たちもテレビを見ない生活を送ることになりますし、世の中にあふれるメディア等から遠ざけるのも大変です。買い物に出かければキャラクターグッズが溢れていますし、子供用の生活用品や衣類を揃えるのもなかなか大変です。

もちろん、絶対禁止!というわけではありません。ガチガチになってしまうことでストレスになってしまうこともあります。ご家庭毎に適度なライン引きをすることも大切ですよ。

 

シュタイナー教育の特徴:数週間ごとに一つの教科を学び続ける『エポック授業』

7歳になると、いよいよ一般的な学習がスタートします。シュタイナー教育校では、通常の授業と別に『エポック授業』というものが行われます。このエポック授業は毎朝最も頭が働く時間帯に約2時間行う勉強のことで、主要教科の中から1つを選び、それを数週間に渡りひたすら学び続けるというものです。そうすることによって一つの教科とじっくり向き合いより深く理解することが出来ます。

当然、そうなると忘れてしまう内容も出てきますが、シュタイナー教育では一度忘れることで表面化させることも大切だと考えています。もちろん、エポック授業で取り扱ったことは後の通常授業でもしっかり取り扱います。

 

シュタイナー教育の特徴:教科書を使わない

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シュタイナー教育の特徴として、教科書を使わないというものがあります。その代わり子供たちにはエポックノートというものが与えられます。先生が独自に作ったカリキュラムで授業が行われます。先生が黒板に描いたものを自分なりにエポックノートにまとめていくことによって、それが自分独自の教科書になっていくのです。低学年の内は鉛筆の代わりにクレヨンを使用します。鉛筆に比べてクレヨンは自由に線の太さを変えることが出来ますし、カラフルな色使いでノートをまとめることで創造性を高めることが出来るからです。

 

シュタイナー教育の特徴:テストや成績表がない

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一般校では、定期的にテストが行われ、学期末毎に成績表が配られますよね。しかし、シュタイナー教育校では、テストは一切行われません。点数による評価がないため、学力による競争というものがなくなります。理解度を確認するために小テストが行われることもありますが、それが評価につながることはありません。

また成績表もありません。その代わりに、学年の終わりにその子の成長記録として担任教師がまとめたものが配られます。

 

シュタイナー教育の特徴:歌や詩を身体で表現するオイリュトミーとは?

シュタイナー教育の専科授業の一つに『オイリュトミー』というものがあります。聞き馴染みのない言葉ですので、どのような内容なのか想像つかないという方が殆どでしょう。

オイリュトミーというのは、歌や詩に合わせて体を動かすことによって表現する芸術の一つです。言葉や音楽の中にある思考を汲み取り、身体で表現するため『見える音楽』といわれることもあります。体の動かし方、他者との距離感などを感覚的に学ぶことによって、協調性や責任感など様々な感覚を強化することに繋がります。

 

シュタイナー教育の特徴:水彩を使ったにじみ絵で無限の美を学ぶ

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シュタイナー教育の専科授業には、水彩絵の具を使ったにじみ絵があります。『◯◯を描く』というテーマは設定しません。

まず画用紙を十分に湿らせ、そこに水彩絵の具をたらします。すると絵の具同士が自然に混ざり合い、思いもかけない形を描き出します。そのパターンは無限ですよね。にじみ絵では自然が作り出す無限の美に触れることが出来るのです。

 

シュタイナー教育の特徴:フォルメンによって形を学ぶ

『フォルメン』というと聞き馴染みがなくとも、『フォルム』と言えば理解できるのではないでしょうか。いわゆる物の形、ラインのことを指します。フォルメンもシュタイナー教育の専科授業の一つです。フォルメン授業では先生が黒板に様々なライン、模様をカラフルに描いていきます。色々な形が繋がったり交わったりすることで生まれる調和や連続性を学びます。フォルメンは単なる美術や算数ではなく、あらゆる教科に取り入れ、総合学習として用いられます。

 

シュタイナー教育の特徴:競争心をあおるスポーツは高校生から!

シュタイナー教育校では、低学年の内は主に体の柔軟性などを鍛える為の運動を行います。特定の部位を強化する運動や、競争心を煽るスポーツ(野球やサッカー等)も高校生までは行いません。まずは自分の体をきちんとコントロール出来るようになることが大切で、競技で勝ち負けを争うことは二の次なのです。

骨格が発達した高学年になれば、スポーツの一環として陸上競技や球技などを行うようになります。

 

シュタイナー教育の特徴:担任は8年間変わらない

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シュタイナー教育の大きな特徴の一つに、徹底した一貫教育が挙げられます。基本的に7〜15歳までの8年間、同じ担任が繰り上がりで受け持ちます。これは子供たちの成長を長期的に見守り、子供の個性を深く理解し、そのときに応じて必要な教育を施すためです。主要教科は担任と専科の教師が指導していきます。また、親以外の大人と長期的に付き合うことによって、その人の手から離れることを学びます。

 

シュタイナー教育の特徴:自然体験や手仕事・工芸などを多く学ぶ

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シュタイナー教育では、手仕事も大切な教育の一つだと考えられています。その為、シュタイナー教育校では、一般校よりも自然体験や工芸・手仕事に触れる機会が非常に多くなっています。

子供たちは自分たちの力で木を切り倒して家を作ったり、伝統工芸にチャレンジしたりすることで、物を作り出すことの喜びや達成感を学びます。

また、紙漉きや手織り、裁縫や編み物といった手仕事も学びます。生きていくのに必要な技術なども学ぶことが出来ます。

 

シュタイナー教育の特徴:高校卒業資格が与えられない

シュタイナー教育校は、法的な学籍を与えることが出来ません。小学校や中学校も基本的な学籍は地域の公立校になります。また、高等部まであるシュタイナー教育校に在籍していても、基本的には高校卒業資格を得ることが出来ません。その為、高校卒業資格認定試験に向けたカリキュラムを導入しており、そこで高校卒業資格を得る準備をしていくことになります。

 

シュタイナー教育を受けた子供は自立的で芸術的な傾向にある

シュタイナー教育を受けた子供たちは、人の意見に惑わされることなく、自分の意志で行動できるようになっていきます。芸術的な感性が磨かれるため、卒業後アーティストとして活動する方も少なくありません。

また、様々な体験を通して手先が器用になります。外国語や外国文化についても早くから学んでいくため、国際意識の高い子供に育つ傾向にあります。

 

実際にシュタイナー教育を受けた有名人たち

有名人の中にもシュタイナー教育を受けた人たちがいらっしゃいます。俳優の斎藤工さんや村上虹郎さん、黒柳徹子さんなどが有名です。海外ではサンドラ・ブロックや『はてしない物語』の著者ミヒャエル・エンデなどが挙げられます。

 

シュタイナー教育には批判的な意見も

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一般校と比べて非常に個性的なカリキュラムを取っているシュタイナー教育には、批判的な意見も少なくありません。生徒数が非常に少なく、同じメンツの中で子供時代を送ることになるため、社会性が欠けることもあります。人の意見に惑わされないと言えば長所ですが、逆に考えれば空気が読めない・人の意見を無視することにも繋がります。

また、シュタイナー教育校は一般校よりも学習量が非常に少ないので、学力の面で劣ってしまいがちです。何らかの事情で一般校に編入しなければならなくなった場合、学力が追いつかず、大変な思いをすることもあります。教科書を使わないという教育方法のため、『分からない部分があるけれども、どこが分からないのかすら分からない』ということに陥ってしまうことも多いようです。

人によってはシュタイナー教育にのめり込むあまり、西洋医学を否定し、予防接種を受けさせない、高熱を出しても自己治癒力に頼る…といった方もいらっしゃいます。その為、シュタイナー教育校=カルト信者の集まりと誤解されることも少なくありません。

シュタイナー教育はあくまで概念であり、必ずしもそのルールに則って行わなければならないというものではありません。各ご家庭ごとに、教育方針も様々です。こうしなければならない、こうでなければならないと、理念に囚われ過ぎないようにすることが大切です。

 

学校や園に通わなくてもシュタイナー教育は出来る

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シュタイナー教育を行っている学校はまだまだ非常に少なく、近くに通えるところがないという方も多いでしょう。しかし、シュタイナー教育は学校や園に通わなくても可能です。

手先や体を使って、色々なことに触れさせていきましょう。演劇やコンサートなど、生の芸術に触れる機会を与えることも大切です。スマホやゲーム機を与えるより、ものを作る喜びや想像することの楽しさを学ばせていきましょう。

 

シュタイナー教育を実践するためのおすすめグッズ5選を紹介

シュタイナー教育を実践するにあたり、おすすめのグッズを幾つか紹介していきます。是非参考にしてみて下さい。

おうちでできるシュタイナーの子育て (1080円)

自宅で出来るシュタイナー教育の実践方法、子育てのヒントなどを取り入れたハンディサイズの本です。写真やイラストがたっぷりで、初心者にも分かりやすくなっています。

出典:http://amzn.to/2FMm0J0

 

木製 手織り機 織り幅20cm(1890円)

あらかじめ材料も揃っているので、買ったその日から手織りを楽しむことが出来ます。自分でオリジナルのコースターなどを簡単に作ることが出来るので、手作り好きなお子さんにおすすめですよ。

出典:https://amzn.to/2C8EFyZ

 

蜜蝋(みつろう)クレヨン16色缶入り(3348円)

発色がよく、万が一口に入っても体に無害な蜜ろうクレヨンは、是非持っておきたいアイテムです。透明感があり、重ね塗りも可能です。シュタイナー教育校での使用にもおすすめです。

出典:http://amzn.to/2Do7LeQ

 

お山のつみ木(3456円)

木製の積み木はよく見かけますが、ここまでナチュラルな積み木は滅多にありません。様々な種類の木材を使用しており、想像力が掻き立てられること間違いなしです。

出典:http://amzn.to/2DnTwGY

 

STOCKMAR 水彩絵の具 三原色 20ml 6本セット(5396円)

シュタイナー教育における、にじみ絵に欠かせないのが水彩絵の具ですよね。こちらの絵の具セットは透明度が高く、あらゆる中間色を表現することが出来るようになっています。子どもだけでなく、大人も楽しめる絵の具ですよ。

出典:http://amzn.to/2FMmZsG

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