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産後クライシスとは?|原因や症状・予防法と解決法・子供に与える影響

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産後クライシスとは?|産後に待ち受ける夫婦間の問題

待望の子どもを授かった直後というのは、誰もが幸せに包まれるもの。本人だけでなく、周囲もそれが当然だと思っているものです。

しかし、ここに非常に深刻な落とし穴が待っています。それが「産後クライシス」と呼ばれるものです。

 

産後クライシスという言葉はなぜ生まれた?

産後クライシスというのは、医学用語ではありません。最初に産後クライシスという言葉が使われたのは、2012年にNHKの番組「あさイチ」の特集で、出産後に夫婦間の感情が急激に冷え込むという内容の放送が行われました。

それをきっかけに番組にも大きな反響があり、関連の書籍なども出版、育児雑誌やネット上では議論が交わされるようになったことから、一般にも広がるようになりました。

 

産後クライシスの症状について

産後クライシスを簡単に説明すると、妻の出産後に夫婦仲が以前の関係から急激に悪化します。出産後、慣れない育児に疲れたり、夫が協力的でないといったことは昔から言われたことで、そのせいで夫婦仲が悪化するということも珍しくはありません。

しかし、産後クライシスの場合、出産後2年以内に夫婦仲が悪くなり、その仲が再び回復することもありますが、10年から15年経っても不仲なままだったり、熟年離婚に繋がったりということが起きます。

 

産後クライシスから離婚に発展することも

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産後クライシスが大きな問題となっている理由には、まず「離婚への発展」が挙げられます。夫婦であれば、一緒に暮らしていることから意見が食い違うことや、生活の仕方などによる不満などを感じるのはそれほど珍しいことではありません。通常のケンカや言い争いの場合、数日たてば元の状態に戻り、離婚まで発展することはめったにないといっていいでしょう。

しかし、産後クライシスに見舞われた夫婦の場合、単なる夫婦喧嘩にとどまらず、離婚にまで発展してしまうことが問題だとされています。どれだけ配偶者の悪いところや気に入らない部分が目についたとしても、以前であれば「子どもが小さい間は我慢しよう」「大きくなって自分も働けるようになるまでは耐えよう」と言った考え方に落ち着いたはずが、出産後2年程度であっても離婚に発展してしまいます。

 

産後クライシスで熟年離婚に至ってしまうケースもある

さらに産後クライシスの場合、その期間の夫婦仲の悪化が長年回復せず、熟年離婚に発展してしまうケースもあります。

熟年離婚とは夫婦が中高年やシニア世代になってから離婚してしまうことですが、明確な理由がなく、これまでのすれ違いが夫の定年などをきっかけに離婚に至ってしまう現象と考えられていました。しかし、このすれ違いのきっかけが産後クライシスにあると考えられるケースも明らかになってきました。

恋人として付き合っている間や、新婚のときには非常に仲がいい夫婦であった場合でも、出産後のすれ違いや意見の相違などが発端となり、それ以来、夫の言葉や行動に耐えられなくなったものの、定年までは我慢して離婚するといった、産後クライシスが原因とみられる熟年離婚も多く発生しています。

もちろん、産後クライシスに襲われた夫婦がすべて離婚するというわけではありませんが、家庭に夫の居場所がなくなることで育児に関心を持てなくなる、セックスレスに陥ることで二人目以降の子どもの誕生が望めなくなるなど、産後クライシスはその後の人生に大きな影響を及ぼしていきます。

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産後クライシスと似た症状の産後うつ病とは?

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産後クライシスと間違えられやすいものとして「産後うつ病」が挙げられます。産後うつ病とは、文字通り「出産した直後にかかってしまううつ病」のこと。

実はこのうつ病は珍しいものではなく、出産した女性の約一割がこの産後うつ病にかかってしまうというデータもあるほど。またうつ病の分類として「産後うつ病」という種類もあります。

症状としては、一般的なうつ病の症状と同じように、何の理由もないのに暗い気分になって落ち込む、激しい孤独を感じる、楽しみや喜びを感じられない、体に力が入らず、何をやる気にもなれないといったものが挙げられます。また、眠れない、頭が痛む、便秘や下痢、めまいなどの肉体的な症状を伴うこともあります。

この産後うつ病を気分の問題だと思うのは非常に危険で、特に母親が一人で子どもを育てなければならないという、いわゆる「ワンオペ育児」の状態になると、「子どもを育てることに自信がない」「子どもを産まなければよかった」「死んだほうがましだ」などと考えて赤ちゃんを殺して自分も自殺を図ったり、赤ちゃんを虐待する幼児虐待、逆に自分自身を傷つける自傷行為に走るといった可能性も十分にあり得ます。

マタニティーブルーも産後うつ病の一種

また、ここまで深刻な状態に至らずとも、将来のことに強い不安を感じる、悲しくて仕方がなくなるなどのいわば軽度のうつ病に襲われるというケースもあります。

これは「マタニティーブルー」と呼ばれているもので、多くの人が経験するためつい見逃されがちですが、これも立派なうつ病の一種なので、決して油断して甘く考えてはいけないものです。 これら産後うつ病やマタニティーブルーの原因となるのは、女性の身体の変化によるもので、これまで多く分泌されていた女性ホルモンの量が急激に減少し、自律神経が混乱してしまうことが理由に挙げられています。 そのまま安静にしていれば、やがて自律神経はバランスを取り戻すことができますが、出産直後は出産時の激しい疲労や、慣れない子育て、睡眠時間を安定して取ることができないといった肉体的・精神的なストレスがかかり、自律神経の悪化に拍車がかかってしまいます。

また、出産前に考えていた理想的な育児と現実があまりにも異なっている、自分ならできると考えていた育児ができない、ネットで検索しても様々な情報に振り回されてさらに不安が高まるなど、現代特有の要因も重なって、さらに精神的に追い詰められるというのも精神状態が悪化するという原因のひとつです。

 

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